塔ノ岳・漫画『山を渡る』の巡礼
空木哲生さんの登山漫画『山を渡るー三多摩大岳部録ー』が好きだ。
今回はこの漫画に出てくる「丹沢表尾根コース」を登ってみた。
丹沢表尾根コース / ureさんの塔ノ岳(神奈川県)・行者ヶ岳(神奈川県)・堀山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
塔ノ岳をゴールとして、複数の山の頂上をつなげて歩く。山頂と山頂を結ぶ道筋のことを「稜線(りょうせん)」と呼び、この「稜線歩き」は視界がひらけて展望がいいらしい。
しかし当日は霧で景色が消えていた。
富士山や相模湾が見えるはずの三ノ塔も真っ白(犬がいてかわいかった)
三ノ塔から烏尾山へ向かう
緑に飛び込む階段!! は
霧に飛び込む階段!! に
階段を奥へ進むと植物のトンネル。楽しい。
烏尾山の先にある行者ヶ岳の山頂を越えると、コース一番の難所がある。
危ないので安全のためにクサリが取り付けられている場所を「クサリ場」と呼ぶらしい。
そのクサリ場である。
これまでにあったゆるいクサリ場とは違い、ここは上から見るとほぼ垂直になっている。そのため足元がよく見えない。「死」の一文字が頭をよぎる。
漫画でも、新人たちは恐怖で先に進めなくなってしまう。
漫画のおかげで降りはじめてしまえば怖くないと知っていたので、あとから来た人に先に進んでもらい、ゆっくり降りた。
霧はさらに深くなり、ラスボスが出てきそうな雰囲気にテンションが上がる
登頂!おにぎりを食べながらゆっくりしていると空が晴れてきた。
下りる前に景色が見られて良かったなあと思う。
ここから「バカ尾根」と呼ばれる長くて単調な道を下りなければならない。下山中は生まれたての子鹿となり、完治するまで一週間かかるほどの筋肉痛に見舞われることになるが、それはまた別のお話…
下山後は渋沢駅の箱根そば。
景色は見えなかったけれど漫画で見た場所が目の前にあって嬉しかった。サッと行ってサッと帰れる「ホームマウンテン」。これから何度も訪れることになると思う。